コラム

「キャンプブームは終わった」のか。いま、ケニーズが考えるキャンプ場の価値

2026年3月8日

「キャンプブームは終わった」のか。今考えるキャンプ場の価値


ここ数年、アウトドア業界では「キャンプブームは終わった」という言葉を耳にする機会が増えました。

たしかに、参加人口だけを見れば、市場はコロナ禍のピーク時から少し落ち着いてきています。日本オートキャンプ協会が紹介する「レジャー白書2024」では、オートキャンプ参加人口は前年より減少しています。一方で、年間平均活動回数は8.2回へ増えており、人数はやや減っても、続けている人は以前より頻繁にキャンプへ出かけている姿も見えてきます。

さらに、日本オートキャンプ協会の「オートキャンプ白書2025」では、2024年の平均キャンプ回数は5.0回、平均泊数は6.7泊とされ、協会自身も「コロナ期に広がったキャンプはしっかりと根付いている様子」と整理しています。参加人口が少し落ち着いても、キャンプそのものの魅力が急になくなったというより、楽しみ方がより定着してきた、と見た方が実感に近いように思います。

予約の動きを見ても、同じことが言えそうです。なっぷの2023年予約動向では、予約数は前年比18ポイント増、リピーター利用は46%超まで伸びました。続く2024年も、予約件数は前年比3ポイント減のほぼ横ばいで、既存ユーザー予約比率は55%まで上昇しています。短期の上下はあっても、予約総数は大きく崩れず、数年単位では緩やかに積み上がってきたように見えます。

私たちは、その背景には二つの変化があるのではないかと感じています。
ひとつは、キャンプを続けている人の一人あたりの利用回数が増えていること
もうひとつは、受け皿となる施設や選択肢が広がっていることです。なっぷの掲載施設数は、2023年の約5,300件規模から、2024年は約5,600件、2026年1月時点では約5,800件へと増えています。参加人口は微減でも、利用回数の増加と供給施設数の増加によって、予約は全体として大きく崩れにくい構造になっているのではないか。これはあくまで私たちなりの見立てですが、現場感覚にはかなり近いものがあります。

つまり、いま起きているのは単純な縮小ではなく、
誰でも売れた時代が落ち着き、本当に行きたい場所・自分たちに合う場所が選ばれる時代に入ってきた、という変化なのだと思います。

ブームが終わったというより、選ばれる理由が変わってきた


コロナ禍のころは、「密を避けられる」「外で過ごせる」という理由だけでも、キャンプには強い追い風がありました。
けれど今は、旅行やレジャーの選択肢も戻り、その中でキャンプ場もきちんと比べられる存在になっています。

それは厳しさでもありますが、同時に、本当に大切なものが見えやすくなったとも感じています。

設備が新しいとか、写真映えするとか、そうした入口はもちろん大切です。
ただ、それだけでは「また行きたい場所」にはなりにくい。

誰と、どんな時間が過ごせるのか。
子どもにどんな体験をさせてあげられるのか。
初めてでも安心できるのか。
季節が変わったら、また違う楽しみがあるのか。

そうしたことが、今はより素直に選ばれる理由になってきているように思います。

ケニーズが見ているのは、「流行」よりも「また来たくなる理由」

  
ケニーズは、ブームのためだけに存在しているキャンプ場ではありません。
埼玉県飯能市名栗という里山で、都心から約1時間という距離感の中、ファミリー向けのルールや設備を整え、キャンプインストラクターが常に在中し、レンタル品や販売品も充実させながら、長くお客さまと関係を育ててきた場所です。春はお花見、夏は名栗川と天然プール、秋はハロウィン、冬はイルミネーションと、季節ごとに違う楽しみがあることも、ケニーズの大きな特徴です。

私たちは、ただ泊まるための場所を目指しているわけではありません。
「また来たい」と思っていただける理由を、ひとつずつ丁寧につくっていくこと。
その積み重ねの先に、ケニーズらしさがあるのだと思っています。

予約件数No.1という形で評価

その積み重ねの結果のひとつとして、ケニーズはなっぷAWARD2025 東日本 予約件数部門 第1位を受賞しました。前年のアクセス1位に続く評価でした。

私たちは、「特別な何かがあるから選ばれている」とはあまり思っていません。
むしろ、地味でも大切なことを、きちんと積み重ねてきた結果なのではないかと感じています。

初めての方や子ども連れでも過ごしやすいこと。
川遊びや季節イベントなど、家族で来る理由があること。
レンタルや売店が整っていて、準備の負担を減らせること。
季節が変わるたびに、また違う景色や楽しみがあること。

ブームが落ち着いた今は、こうした基本の価値が、以前よりもしっかり見ていただける時代になってきたのかもしれません。

これからの需要は、「増やすこと」より「続いていくこと」

業界全体で見ると、これからまた一気にブームが膨らむ、ということは簡単ではないのかもしれません。
ただ、それは悲観的なものと捉えなくても良いように思います。

むしろ、これから大事なのは、
「一度来てもらうこと」だけではなく、
また来たいと思ってもらえることだと思っています。

初めてのキャンプが楽しかった。
子どもがまた川で遊びたいと言っている。
次は秋にも来てみたい。
今度は別の季節にも来てみたい。

そうやって、ひとつの体験が次につながっていくこと。
それが本当の意味での需要なのだと思います。

予約件数の世界でも、既存ユーザー比率が高まっているのは、まさにそうした流れの表れかもしれません。新規が一気に増える時代から、体験の質によってリピートが積み上がる時代へ。私たちは、いまはそういう局面に入っていると感じています。

キャンプ場運営者として、そしてケニーズとして思うこと

「キャンプブームは終わったのですか」と聞かれると、
私たちはたぶん、「そういう面もあると思います」と答えます。

でも同時に、
「だからこそ、これからが大事なのだと思います」とも答えたいです。

流行としての熱は、少し落ち着いたのかもしれません。
けれど、家族で過ごす時間の大切さや、自然の中でしか得られない感覚、子どもたちの原体験としての価値までがなくなったとは、まったく思っていません。

むしろ、流行の勢いが落ち着いた分だけ、
そういう本来の価値が、静かに見えてきたように感じています。

だからこれからのキャンプ場は、
流行を追いかける場所というより、
何度でも帰ってきたくなる場所であることが大切なのではないでしょうか。

ケニーズも、派手さを競うのではなく、
安心して来られること。
季節ごとの楽しみがあること。
自然と人との距離が少し近づくこと。
そうした部分を、これからも丁寧に磨いていきたいと思っています。

これからキャンプ場を選ぶ方へ

もし、「キャンプブームは終わったらしい」と聞いて少し気になっていた方がいたら、私はむしろ今の方が、キャンプ場の良さが見えやすい時期かもしれないと思っています。

にぎやかな言葉に流されず、
自分たちに合う場所を選びやすいからです。

設備はどうか。
誰に向いている場所か。
どんな時間が流れているか。
また来たくなる理由があるか。

そんな視点で見ていくと、キャンプ場選びはきっともっと面白くなります。

ケニーズもまた、
ただ泊まるための場所ではなく、
家族の時間や、自然とのつながりを少しずつ育てていける場所として、これからも皆さまをお迎えしていきたいと思っています。

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